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今日も明日も日本のどこかでサドルにまたがる、慶應医学部2年生。U23ロードナショナルチーム。宜しくお願いします!

カケの医学への道 vol.1

たくさんのご質問を頂いて嬉しいカケです。

 

そんな中から最初の記事として選んだのは、こちら!

 

「クールダウンって本当に意味あるの?」

 

3人の方からこの質問を頂きました。

 

ほとんどのアスリートが実践しているクールダウン。自身も、練習後に行うのと行わないのとでは、翌日のパフォーマンスに差が出ることを体感してはいましたが、体の中でどんなことが起こって、クールダウンが疲労を残さなくさせているのかは、理解していませんでした。

これから、クールダウンについて、生理学の観点からその意味を勉強しようと思いますが、長くなってしまいますので、一日一項目ずつになるかもしれません。

 

以下に一つ一つ解説していきますが、大きく分けてクールダウンには5つの効果があります。(そんなにあるの...!!)

 

1. 帰還血流量の確保

2. 酸塩基平衡の維持

3. 乳酸除去の促進

4. 運動後超過代謝の減少

5. 筋痛の予防

 

なんか、漢字が多いですね... できるだけわかりやすく解説していきます。今日は、

 

1. 帰還血流量の確保

 

についてです!

 

人間の体は運動をするときには酸素を必要とします。酸素を運ぶ役割は、血液が担います。だから、運動するときには、末梢の筋肉などにより多くの血液が流れている状態になっています。

血液は、動脈で末端まで運ばれて、静脈で心臓まで戻りますが、動脈のほうが、静脈に比べて血液を送り出す力が強くなっています(というか、静脈自体にはほぼ送り返す力はありません)。つまり、行きは力強いけど、帰りは弱々しいんです。

で、その弱々しい帰りの血流を何が支えているかというと、、

筋肉の収縮が支えています。(これを筋のミルキングアクションといいます)

 

よく、立ち仕事をしていて足がむくむ人はふくらはぎの筋肉を使うと良い、とか言うことがあります。あれと理屈は全く同じで、末梢の筋肉を収縮させることで、静脈内の血液が心臓に戻るのを助けているんです。

 

で、話を戻すと、運動している最中は、筋肉をよく使い、循環する血液量が行きも帰りも多い状態に保たれています。

でも、運動をやめると、筋肉の収縮がなくなるわけだから、行きは多いままだけど帰りは少なくなってしまいますよね。これでは血液が全身を回ったことにならない。

血液というのは、動脈で新鮮な栄養、酸素を組織に送り届けて、組織で受け取った老廃物、二酸化炭素を回収する役割があるので、行ったきり戻ってこない状態はもちろんよくありません。

 

ダウンをしながらゆっくりと筋肉を動かすことで血液が帰るのを促し、文字通り「帰還血流量を確保」するのです。

 

いかがだったでしょうか。一つ目の記事を書くまでやたらと時間がかかってしまいましたが、本当にたくさんの質問を頂いているので、できるだけ多くにお答えできるよう頑張っていきます!