カケの医学への道 番外編
質問箱には、医学でこたえられる質問を多く寄せて頂いているだけでなく、実はこんな質問も多かったりします。
「医学生で体育会の自転車競技部とかjprotourとか、どうやって乗る時間を作ってるの??」
番外編ですが、僭越ながら僕なりの時間の使い方について記事にしてみたいと思います。
そもそも、僕は自分が満足に練習できているとは思っていません。トラック中長距離のナショナルチームの友人たち、競輪選手デビューした先輩たちのツイッターなどを見ていると、
「こんなところで授業受けてていいのかよ。。。」
なんて思うことは多々あります。ってか、ほぼ毎日、ずっとそう思ってます。焦りですね。
でも、ベースの練習量が確保できていない中で、自分の中で練習量が確保できていれば、調子が上がる実感もあるし、結果も伴っているとは思います。例えば、昨年のシーズン序盤、JPT第4戦の群馬で3位になりピュアホワイトジャージを獲得したときは、超絶暇だった2,3月の春休みをほとんど自転車に捧げて、2月は月間練習時間100時間、月間5000TSS、月間走行距離3000km、の練習をしていました。
大学がある中で良い調子をキープできたのは、最終戦の群馬があった昨年の9,10月くらいですね。結果にはつながりませんでしたが、調子は第4戦の時くらい良かったと思います。
その頃の平日の放課後の使い方は、こんな感じです。(放課後以外は忙しくて練習どころではありません)
月曜日 バイト3時間
火曜日 練習3時間 200TSS, 60~70km
水曜日 練習3時間 200TSS, 60~70km
木曜日 練習2時間 150TSS, 50km
金曜日 バイト4時間
土曜日 レース 150TSS, 50~60km
日曜日 レース 200TSS, 100~120km
こうしてみると、
週間900TSS, 350km
程度の練習をしていることが分かります。あくまで自分の中でですが、これくらい練習量が稼げると、調子が上がってくる感覚があります。
こういう練習をしているときに起こってくるのは、もちろん疲労です。練習時間を確保しようとするあまり、マッサージの時間は取れないし、学校の課題もやっていると睡眠時間も4-5時間程度になってしまいます。できればジムでウエイトトレーニングもしたいし、自重を使ったドリル的な練習もしたい。
だけど、できていない。だから僕自身も、満足のいく練習ができているとはほとんど思ったことがありません。一年休学して自転車だけやりたいです。
補強的な練習はできなくても仕方ないとして、大事なのは疲労とどう向き合うかという問題ですが、僕は、
「こうしたハードな練習スケジュールをターゲットとする試合の数週間前からしか組まない」
ということで対処しています。累積疲労で体が壊れるか、調子が上がってきてよく走れるか。そのせめぎあいのベストなところで試合を迎えられるように調整しているつもりです。
本当に実力を上げたいのであれば、ハードな練習と、質の高い休養を、長期間繰り返す必要があるでしょう。でも、僕の場合は、1年中こんな練習をしていると体が壊れてしまうし、メンタルも持たないので、仕方なくこういう方策をとっています。
ちなみに、生活習慣や、トレーニングの内容に変化を加えたとき、それが体に変化として表れるのには約3ヶ月かかるといわれています(水泳をしていた中学生時代にコーチから教わりました。文献で見たわけではありませんが多分あってます)。ということは、逆に、実力を上げるために、質の高い練習、質の高い休養を取ってアスリートらしい生活をするのは、最低3か月以上続けないと意味がないと僕は考えていて、一年の中でそれをする期間が、僕の場合大体1月下旬から4月中旬です。大学生なので春休みもあるし、
調子が良い状態でシーズンに突入する意味でもこれくらいの時期が丁度良いからです。だから、僕はそろそろ、CTLにして150くらいになるような、走行距離にして月2500kmを超えるような練習をする期間になります。タイムリーな話です笑。
ここまでの話をまとめると、僕は大体春先にベースを上げるような練習をして、学校も自転車も忙しくなる夏から秋は、ターゲットとする試合に絞って練習を頑張って、冬にオフを取っている、そんな感じになります。
どうしても人間は、全体像が見えないと、自分が何をすればよいのか見失いがちです。ターゲットとする試合を設定することによって、今の自分に一日何時間くらいの、どんな強度の練習が必要なのかが見えてきて、逆にあまり練習が必要ない期間は、勉強したり、遊んだり、バイトしたりできることになります。
抽象的な話が混ざり、また偉そうに語ってしまいましたが、去年の自分もこれがうまくいかず(主に試験と試合の期間が重なっていてどうしても練習できなかったりするのが原因ですが)、調子を落とした時期がありました。そもそも、忙しい学生は、勉強しなきゃいけない期間にはターゲットとする試合を置かない、というのが重要なのかな、なんて思ってます。
以上、まとまりのない長文で恐縮ですが、カケの医学への道 番外編「医学生レーサーの時間の使い方」についてでした!