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今日も明日も日本のどこかでサドルにまたがる、慶應医学部2年生。U23ロードナショナルチーム。宜しくお願いします!

カケの医学への道 vol.2

最近は朝のお布団が恋しすぎて、1限に間に合わなくなりがちなカケです。

 

さて、「クールダウンって意味あるの?」2回目です。

 

今日は...

2.酸塩基平衡の維持

 

です。明らかに意味わからなさそうな内容ですね😂 化学に興味がない方でもわかるように解説していきたいと思います。

 

まず、

pH(ペーハー)

って聞いたことがあると思います。ざっくり言うと、「液体に溶けている水素イオンの濃度」のことです。大体お水はpH=7くらいで、これを中性と言います。それより水素イオンの濃度が大きくなると酸性になり、pHは下がります。逆に、水素イオンの濃度が小さくなると塩基性になり、pHは上がります

 

水素イオンの量が増えるとpHの値が小さくなるってところがややこしいですね。でも、ここまでは基本の話です。

 

さて!高校の化学基礎でも扱うこのpHですが、人間の体内にも血液という液体が流れているわけですから、血液のpHも測ることができます。そして、ここがすごいところなんですが、人間の血液のpHは、7.40±0.005という、めちゃくちゃ厳密な範囲で保たれています。人間、血液がこのpHの値から外れると死ぬらしいです。

 

本題はここからです。

 

詳しくは後ろで解説しますが、人間は激しい運動をした後、体内の血液が塩基性に傾きます。pHが僅かに上がるわけです。これは、激しい呼吸によって二酸化炭素をたくさん排出することで、体内の水素イオンが減ることが原因です(詳しくは後述します)。

自転車、陸上、水泳などの有酸素運動を激しくやる方で、過呼吸という状態になったことのある方もいると思います。あれは、激しい呼吸を行うことによって、二酸化炭素を排出しすぎてしまって、体内が塩基性になる、医学的には呼吸性アルカローシスという現象です。

 

ダウンを行って、昨日説明した「帰還血流量の確保」をしながらゆっくりと呼吸をすることによって、肺がこの状態を解消しようと頑張ってくれます。具体的には、肺が排出する二酸化炭素の量がわずかに減ることによって、血液の塩基性を解消するように働くのです。(実際にRicciらのトレッドミル走後の二酸化炭素濃度測定の実験で確かめられています)

 

では、なぜ沢山呼吸をすると血液が塩基性になるのか?ここからは興味のある方のみご覧ください!

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アナログですみません笑。血液中には、このような化学物質のシーソーのような関係があります(平衡式といいます)。左の2つが増えると右の2つは減り、逆に右の2つが増えると左の2つは減ります。

でも、この式のすごいところは、左右のバランスが乱れると、それを正すように勝手に左右の量が調整されるというところです。高校化学ですが、これをルシャトリエの平衡の原理といいます。

 

激しい呼吸をして体のに沢山二酸化炭素を出すということは、体内で二酸化炭素が減るということです。

すると、減ってしまった二酸化炭素を補うために、式の左の2つ(水素イオンと炭酸水素イオン)が右の2つ(水と二酸化炭素)に変化しやすくなります。

 

すると、体内で水素イオンが減るので、pHが塩基性に傾くということです。

 

 

今日は化学の内容が多くて苦手な方にはちょっと受け付けなかったかもしれませんが、僕なりに分かりやすくしたつもりです...。

それでは...!